
今回取材をするのは大阪の人気店「小麦生まれ、麺育ち。」。大阪で最も勢いのあるグループの1つ「小麦グループ」の本店だ。その系列店も好調で、特にKITTE大阪の「小麦の麺神」は大行列を作り続けている。先日、清田店主と知り合う機会があったので、その流れで今回の取材が実現した。「小麦生まれ、麺育ち。」清田店主にKRK直撃インタビュー!
- ご出身は?
「兵庫県の伊丹市です。」
- 昔から飲食の世界に興味があったんですか?
「高校生の時から何かをやってみたいという気持ちが強くありました。高校3年間、大阪の天王寺の高校へ伊丹から通っていたんですけど、その通学の時とかにも何か飲食店で自分のお店を持ってみたいとずっと考えていました。」
- 動き出したのは?
「高校で野球をしていたんですけど、高校野球を引退してからラーメン屋でアルバイトとして働き始めました。伊丹市の"必死のパッチ製麺所"というお店でした。」
- そのお店との出会いは?
「そこで働いていた友達に誘われたのがきっかけでした。」
- 初めてラーメン屋で働いてどうでしたか?
「10年間ほど野球をしていたので体力には自信があったんですけど、"働く体力"と"スポーツする体力"は全く違うと痛感しました。昼と夜、一日働いただけでバテバテでしたね。こんなにしんどいんだと驚きました。」
- 修行して学びたかったことは?
「ラーメンの作り方を学ぶだけでなく、店舗展開もしたかったので経営もしっかり学びたいと思って働いていました。"必死のパッチ製麺所"で店長をさせてもらって、その後に同系列の"だしと麺"(西宮市)でも店長をさせてもらいました。それからマネージャーに昇格させてもらい、人のマネージメント管理や数字の面などを学ばさせてもらいました。7年間ほど本当に多くのことを学ばせて頂きました。」
2020年8月17日オープン

- 自店は大阪でと決めていたんですか?
「高校の時に天王寺という都会に出るようになって、都会への憧れだったり、人の流れや活気あふれる街が好きになりました。梅田や難波で遊ぶようになり刺激を受けたので、大阪市内で勝負したいと思いました。」
- この場所を選んだのは?
「天満周辺、福島、北浜などでずっと探していましたがなかなか見つからず、この場所はストライク軒の芦田店主から紹介してもらいました。規模的にもちょうどいいと思いました。」
- 屋号「小麦生まれ、麺育ち。」の由来は?
「屋号は二十歳の時から既に決めていました。小麦から麺ができるわけで、僕が初めて社会人になったのがラーメン屋さん。僕はラーメン屋で社会人として生まれて、店長やマネージャーとして育ったのでそれに掛けて"小麦生まれ、麺育ち。"に決めました。」
- 自店の商品は悩みましたか?
「醤油ラーメンを絶対に出したいと考えていました。燃えよ麺助さんが福島(大阪市福島区)でオープンした時に食べて、『地鶏を使ったこんな凄いスープで、麺もしなやかで美味しい。こんなラーメンを自分も絶対にやりたい!』と思いました。修行店とはまた違ったラーメンなので、独立する半年前から家で作ったり、友人の店の厨房を借りたりして試作を続けていました。」
- 特に拘ったのは?
「小麦は"春よ恋"。スープは名古屋コーチン。野菜や魚介も入れずに、水と鶏のスープで中華そばを作りたいと思いました。」
- 私は2020年8月のオープン3日後に食べに来ましたが、既に行列ができて混んでいた印象があります。
「コロナ禍でのオープンだったので、集客をSNSでしないと注目されない時期だったんです。当時はSNSで店舗アカウントを作っているお店がまだあまり無かったので、僕はSNSで店舗アカウントを作って色んな人に拡散することから始めました。それがヒットして最初から多くの方に来てもらえるようになりました。」
- 2号店オープンも早かったですね。
「SNS効果もあって本店は最初から集客が安定していたので、半年後には2号店を始められました。本店をオープンした時、僕が作った中華そばより鶏白湯の方が人気があったんです。まだ大阪で泡系鶏白湯が根付いてなかった時期だったので、鶏白湯がこれから大阪で来ると思って2号店に繋がりました。」
2025年3月9日 移転オープン

- 今回の本店移転の経緯は?
「ちょうど一年前くらいに管理会社が変わりビルを壊すと聞いたので、移転を考え始めました。この辺りで探し始めたタイミングでちょうどこの場所が見つかりました。」
- 新店舗の拘りは?
「もちろん外から見える製麺室です。あとはテーブルのボックス席ですね。大阪市内でカウンターのみのお店が多い中、子供連れでも入られるお店を作りたいと思っていました。お子様ラーメンも380円で出しています。」
- 新しい看板メニュー「令和中華そば」の紹介をお願いします。
「今まで7種類の醤油をブレンドしていたんですけど、それを更に増やしました。そして名古屋コーチンの清湯スープに新たに"みやざき地頭鶏(じとっこ)"という宮崎県産の地鶏も加えています。」

- 大阪最注目地域「うめきたエリア」のKITTE大阪にオープンした"小麦の麺神"(2024年7月オープン)の話はいつ頃から?
「2年ほど前にお話をいただきました。その時は"うめきたエリア"がこんな盛り上がりになるなんて全く想像していなかったので驚いています。」
- 大型商業施設への出店に向けて用意した新たな商品について聞かせて下さい。
「看板メニューは大阪鶏白湯です。地元大阪の食材を使いたいと思ったので大阪の王醤醤油を使っています。大阪ホルモンまぜそばには大阪市中央区の大源味噌という赤味噌と白味噌をブレンドしたものを使っています。『大阪にはこんな美味しいラーメンがあるんやで』と認知されたいと思って、大阪を付けて大阪鶏白湯と大阪ホルモンまぜそばとしました。」
- 今後の展開は?
「大阪以外へも出て行く予定です。関東だったり、台湾やベトナムの話も来ています。」
- 清田店主が一番大事にしていることは?
「僕たちのミッションでもあるんですけど、私たちは麺を通じて感動する中華そばを作り、人を通じて感動する空間を作る。そうすることによって人々の心を元気にします。ラーメンを通じて、人を通じて、ということを大切にしています。僕たちのターゲットは世界人口80億人です。」
◆店舗情報
小麦生まれ、麺育ち。
大阪府大阪市北区南森町2-1-18 ジャスティス南森町 1F
instagram https://www.instagram.com/komugi_mensodachi/
移転オープン日:2025年3月9日
オープン日:2020年8月17日
小麦の麺神
大阪府大阪市北区梅田3-2-2 KITTE大阪 4F
instagram https://www.instagram.com/komugi_megami_osaka/
オープン日:2024年7月31日
(取材・文・写真 KRK 令和7年3月27日)