今回取材をするのは静岡県静岡市で2023年10月にオープンした「らぁ麺 もち月」。店主は静岡や関東の人気店で修行した方なので、関西までその情報が伝わってきた注目店だ。静岡市へ来る機会があったので取材をさせて頂いた。「らぁ麺 もち月」望月店主にKRK直撃インタビュー!
- ご出身は?
「静岡の由比です。港町で桜海老しか無いような田舎町で育ちました。」
- ラーメンは好きだったんですか?
「特別食べ歩きをしたりはなかったですが、麺類が好きだったので何か食べたいと思ったらラーメンを食べたいというタイプの人間でした。」
- ラーメン屋をやりたいと思ったきっかけは?
「元々、飲食に興味がありまして、個人経営の居酒屋とかで働いていました。ラーメンは好きだったんですが、好きだから仕事にしたくないという気持ちが最初はありました。居酒屋や弁当屋などで働いたりしていて、30歳手前になった頃に自分で何かしたいと考え始めました。その時にやっぱりラーメン屋をやりたいなと思いました。」
- 好きなラーメンを仕事にしようと?
「その頃に初めて二郎系のラーメンを食べて『あっ、こんなラーメンもあるんだ?』と驚き、それをきっかけにいろんな系統のラーメンを食べるようになりました。そして静岡の某店で食べた時に、『こういうラーメンを作りたいな〜』と思いました。」
- 「作ってみたい」と思うほどの出会いだったんですね。
「はい。無化調というジャンルで、出汁で勝負する料理性の高いラーメンに驚きました。それでそのお店にお願いして数年間学ばせて頂きました。凄い仕事量に驚きながら働いていましたね。」
- 他のお店でも修行?
「ラーメンにどんどん嵌っていき、段々と遠くのお店にも食べに行くようになっていました。そんな中で凄いラーメンを作っているという飯田商店の名前を聞きました。実際に食べに行ってみるとかなりの衝撃を受けました。『こんなラーメンがあるのか?』と感動して、それから通うようになりました。通っている内に『ラーメン屋をするならこういうお店で学んでみたい』と思い、飯田商店に電話してお願いしました。それが2016年でしたね。」
- 積極的ですね。
「自分で凄いものを見たい、厳しい環境に身を置きたいという気持ちがありました。もう30歳頃で自分的には焦りもあったので、こんな感動させてくれるラーメンを作っているところで学びたいと思いました。飯田商店では2016年から2019年11月までお世話になりました。」
- 飯田商店を離れるきっかけは?
「僕は飯田商店を完全には卒業をしていないんです。僕の2ヶ月前に入った渡辺さん(現・Ramen FeeL店主)が独立する流れになった時に、順番的には次は僕だったんです。渡辺さんが凄過ぎたので僕は渡辺さんがいなくなった後の代わりはできないなと自信を失くしてしまったんです。それで挫折してしまって、飯田商店を離れて静岡へ戻らせてもらいました。」
2023年10月2日オープン
- 静岡へ戻って?
「静岡に戻ってしばらくは以前にお世話になっていた某店で働かせてもらっていましたが、やっぱり自分でやりたいと思いました。それで一旦ラーメン屋を離れて魚料理店で働きながら、物件を探し始めました。」
- 静岡と決めていたんですか?
「はい。静岡でやりたいとずっと思っていました。」
- この場所は?
「なかなか希望の条件を満たした物件が見つからず、結局、2年ほどかかりましたね。この場所には中華居酒屋 酔軒というお店があったんですが、その大将から電話をいただいて空くことを教えてもらいました。駐車場もあるし、居抜きで安く始められそうだったので決めました。」
- 屋号「らぁ麺 もち月」の由来は?
「自分のお店をやりたいと思った頃から考えていて、覚えてもらいやすい名前がいいと思い、自分の名前、望月の"もち"だけ平仮名で決めました。」
- 自店の商品は悩みましたか?
「飯田商店のラーメンを崇拝し過ぎていたので、飯田商店のようなラーメンでやりたいと決めていました。自家製麺も最初からしたかったんですけど、まずは予算的に無理せずに始めようと思いました。自家製麺は環境が整ったら始めたいですね。」
- 商品の紹介をお願いします。
「鶏は駿河軍鶏という静岡産軍鶏の丸鶏、岐阜県の鶏などを使い、醤油は掛川市の栄醤油さんの醤油をメインに使っています。醤油と塩を軸に、煮干を色々変えながら自分で楽しんでやっていこうと思っています。担々麺や冷やしもしていて、たまに白湯も出したりしています。」
- 遂に自分のお店をオープンして順調でしたか?
「本当はこっそりステルス(告知無し)で始めるつもりだったんですけど、初日に飯田商店 御一行が8人くらいで来てくれて大きな花を頂きました。それで一気に話題になって凄い宣伝にもなったのでありがたかったです。」
- 望月店主が一番大事にしていることは?
「生産者さんあっての食材なので、食材の良さを出すことを大事にしています。総合的に美味しいというよりは、食材が分かるようなラーメンを作ることが生産者さんに対する僕のお返しという感覚でしています。お店をやる上では、当たり前のことですがお客さん第一。お客さんに気持ちよく食べてもらえることを意識して毎日やっています。」
◆店舗情報
らぁ麺 もち月
静岡県静岡市清水区押切1434
instagram https://www.instagram.com/ramen_mochizuki_83/
オープン日:2023年10月2日
(取材・文・写真 KRK 令和6年9月1日)