今回取材するのは「中華そば 渦」。店主は愛知県蒲郡市の人気店「だし・麺 未蕾」での修行を経て、2023年10月に激戦区「多治見市」で独立開業した方だ。週末の忙しい時に取材する時間を作って頂いた。「中華そば 渦」小野田店主にKRK直撃インタビュー!
- 生まれ育ったのは?
「愛知県の豊田市です。」
- 飲食の世界へ入る経緯は?
「料理をするのが好きで、高校卒業後、料理屋さんで働き始めました。和食も洋食もしているお店でした。それから料理の道を進む中で、途中で離れたりすることもあったんですが、なんだかんだで飲食店に携わることが続いていました。そんな中、あるきっかけがあって僕の兄と一緒にお店をやることになり、豊田市でごはん屋さんを始めました。」
- ラーメン屋に興味を持ったのは?
「蒲郡市の『だし・麺 未蕾』へ行く機会があったんです。外食といえばラーメンがほとんどってほどラーメンが好きだったので、前からInstagramで気になっていたお店でした。どういう雰囲気のお店とかは全く知らなかったんですが、初めて食べに行ってラーメンの味や雰囲気に『ヤバいっ!』と衝撃を受けたんです。その時はラーメン屋をしたいとかはまだ無かったんですが、ずっと頭の中には残っていましたね。」
- そこから気持ちが変化したのは?
「コロナ禍に入ってきて、これからどうしようかなという気持ちになってきました。色々考えている中で、自分が一番よく食べているものは何だろうと考えたらラーメンだったんです。ラーメンは1つの丼に色んな要素が詰まってて完結してるのも面白いと考えながら、自分のラーメンを作りたいって思うようになり、その時にラーメンを勉強したいなと思い始めました。」
- 学びたいと思ったお店は?
「すぐに頭に浮かんだのが未蕾さん(だし・麺 未蕾)でした。ラーメンを教えてもらうなら未蕾さんがいいなと思っていたタイミングで未蕾さんがスタッフ募集をしていたので、その勢いでDMを送らさせてもらいました。『お店をやりながらなので、定休日に働かせてもらうことは大丈夫ですか?』とお願いしたら受け入れて下さいました。それから定休日に豊田市から通い始め、約3年ほどお世話になりました。」
- その時には既に自分のラーメン屋をするという気持ちがあったんですか?
「ラーメン屋で働くのが初めてだったのでそこまで大きくはまだ考えていなくて、自分の大きな武器になればいいなという気持ちでしたね。」
- ラーメン屋で初めて働いてどうでしたか?
「料理の一般常識とはまた全然違うところがあり、とても面白かったです。料理ならこの手法はしないなというのもあったりして、これをこうしてもいいんだとか斬新でした。」
- 自分でラーメン屋をするきっかけは?
「僕がラーメン屋でも働いているということは(豊田市の)周りでも知られていて、僕の高校の同級生が『ラーメン屋をするなら一緒にするよ!』と声かけてくれたんです。それがとても嬉しかったので、やってみようと思いました。」
- ラーメンの勉強も順調に?
「豊田市のお店と未蕾で働きながらラーメンの試作もずっとしていたので、未蕾の大将に時々食べてもらっていたんです。ラーメンを作っていく内に大将から『だいぶラーメンを作れるようになったから、もう自分でやったらいいじゃん』と言って頂いていました。」
- 自分でラーメン屋をすることへの不安も?
「まだ自信は全く無かったんですが、やらないと分からないこともいっぱいあると思ったのでまずはやってみるかという感じでした。未蕾の大将も『未蕾に全然引っ張られなくていい。自分のやりたいお店をやりなよ』と言ってくれました。」
2023年10月20日オープン
- 屋号「中華そば 渦」の由来は?
「僕が幾何学模様やグチャグチャした絵が好きで、渦巻いている絵とか見ていて『渦っていいな!』と閃きました。自分が関わってきた人やこれから関わっていく人、色んな人を巻き込んで面白くしていきたいという想いも含んでいます。当初は渦だけでしようと考えていたんですけど、それだと何の店か分からなくなると思い"中華そば"を付けました。暖簾も無いので、オープン直前に『看板だけでもあった方がいいかな?』と思い、急遽作って取り付けました。」
- 場所は色々探したんですか?
「自分がしていた豊田市の店は兄がそのまま引き継いでくれたので、どこか違う場所でするのも面白いなと思いました。前の店をしていた時にお酒の買い出しで多治見によく通っていたんです。僕の住んでいる豊田市の地域から30分ほどで多治見へ来れるんです。ずっと通っている中で多治見の街並みが凄く好きになっていたんです。川があって、昔の街並みも残っていて雰囲気が凄く好きなんです。豊田市内でも物件を色々見たんですけど、やっぱり多治見でやりたいなと思いました。」
- この物件は?
「ある程度の大きさと駐車場を確保できる所を探していてここに出会いました。」
- お店の雰囲気がとてもいいですね!
「居抜きで借りたんですけど、スケルトンにして相方と大工さんで、僕らも大工作業を一緒にしながら作りました。あそこはこうしたいとか話し合いながらでしたね。」
- 商品作りではやっぱり出汁に拘ったんですか?
「はい。僕が料理をしている頃から和食が好きだったので出汁には凄く拘っていて、どんな料理にも出汁を使っていました。」
- 自店の商品を中華そばの醤油と塩にしたのは?
「シンプルなラーメンを作りたかったんです。働いていた未蕾もそうなんですけど、やっぱりシンプルなラーメン、毎日飽きずに食べられるラーメンがいいなと思いました。いつでも美味いラーメンを作りたいという気持ちがあります。ずっと同じ味を作り続けるというよりかは、『作り続けていって』という感じですね。僕は出汁感を大事にしたいというのがあって、出汁の取り方は試行錯誤していっています。」
- 今後の展開は?
「僕がお酒を好きなので、落ち着いてきたら夜は小料理屋みたいな感じでお酒を出したりもしたいなとかも考えています。将来的には岐阜の食材も積極的に使っていきたいと思い、"恵那どり"とか"飛騨豚"とかを試験的に使ってみたりはしています。」
- オープンして順調ですか?
「やっぱりラーメン作りが難しくて、なかなか自分の思った通りにいかなかったりしますね。」
- 小野田店主が一番大事にしていることは?
「人との繋がりです。お店もオープンな感じに作ったのは、お客様との会話を楽しめるようにしたかったからです。温かい感じでお店をしていきたいなと思っています。」
◆店舗情報
中華そば 渦
岐阜県多治見市小田町6-35
instagram:https://www.instagram.com/uzu_tajimi/
オープン日:2023年10月20日
(取材・文・写真 KRK 令和6年1月20日)