今回取材するのは鳥取県米子市の人気店「麺処 想」。日本百名山「大山」の麓にあり、海と山に囲まれたこの雄大な地域で行列を作り続けているお店だ。大阪のラーメン店での修行歴もある店主なので前から気になっていたので、今回、山陰に行く機会があったので取材をお願いした。「麺処 想」一村店主にKRK直撃インタビュー!
- ご出身は?
「生まれは鳥取市なんですが、その後、18歳までは倉吉市にいました。それから専門学校で大阪・阿倍野へ行きました。」
- 専門学校では何の勉強を?
「調理の専門学校にいたんです。卒業後、大阪で料亭とかで働いていたんですが、その頃に遊ぶことにものめり込んでいったんです。それでアメリカ村でジャマイカレストランとかタピオカ屋とかで掛け持ちで働いていました。」
- ラーメン屋をしようと思ったきっかけは?
「色々してきた後、某社の社員食堂でマネージャーをしていたんです。当時は堺(大阪)に住んでいて朝早かったので、夕方は居酒屋さんでも働いたりしていました。その頃に友人と食べ歩きもしていて、その中で衝撃を受けたのが我孫子の閃さん(中華そば 閃)。それまではラーメンをあまり食べる機会もなく、塩、醤油、豚骨とかしか知りませんでした。閃さんのラーメンを食べて『ここまで魚介の効いたラーメンってあるんだ!』と驚き、ラーメンって面白いなと思いました。」
- ラーメンに興味を持ってからは?
「その頃に福山さん(当サイト記事)が本町で轍(ふく流らーめん 轍 本町本店)を始めたのを知っていたんです。まだミシュランビブグルマンを獲る前に一回食べに行っていて、そこで鶏白湯を食べて驚いていました。その頃に働いていた社員食堂の大元、伊勢丹が閉店するとなって何をしようと考えて浮かんだのがラーメンでした。」
- ラーメン屋をしたくなってからは?
「ラーメンをもっと知りたいと思って福山さんに相談しました。轍さんのラーメンはお洒落でインパクトもあったし、どうやって泡になるのかとかも興味がありました。そして福山さんに紹介してもらったのが福山さんがプロデュースした堺筋本町のラパス(ふく流ラパス 分家 WADACHI)というお店でした。」
- ラパスに入ってからは?
「多くのことを学ばせてもらっている中で、個人的な理由で鳥取へ帰らないといけなくなって、ラパスを離れることになりました。」
- 鳥取に戻ってきから?
「ラーメンをもっとしたいと思っていたので、知り合いの紹介で居酒屋さんの昼に間借り営業を始めることになりました。」
- 間借り営業時の屋号は?
「『麺処 想』でしていました。」
- 屋号「麺処 想」の由来は?
「ラーメン屋をすると決めてから、看板屋の同級生が看板を作ってくれたり、メニューを作ってくれる人がいたりして、色んな人に助けてもらっていました。そういうことを考えている内に"想"が自然と浮かんできました。ラーメンだけでなくいつか蕎麦も出したりするかもと思っていたので"麺処"にしました。」
- 間借り営業時の商品は?
「ラパスで学んだことと、後はラーメンの教本とかで独学をしました。当時の倉吉市は牛骨ラーメンばかりだったので、何か違うことをしようと思って"大山どり"をメインに使った鶏白湯でしようと決めました。他に修業店の人気商品マゼニボジャンキーを自分なりにアレンジしたまぜそばも出していました。」
- その時から泡系で?
「そうですね。というか僕は泡系しか知らなかったんです。山陰に泡系を初めて入れたのは僕だと思います。」
2019年4月1日オープン
- 米子市へ移転した理由は?
「倉吉では絶対数が少なかったので、米子だと松江の方、島根の方も来れるし、空港もあるので米子でしてみようと思いました。
- 今後は?
「自分的にはフルリニューアルを考えています。やっぱり福山さん(轍)の借り物という意識があるので、今後は違う商品でしていきたいと考えています。今年から自家製麺にしていきます。このエリアは年齢層が高いので、奇をてらったものよりは今後そういう安心感のあるビジュアルのラーメンを軸にしていく方がいいのかと考えています。
- 現在の商品はどうしますか?
「泡系は限定で残していく予定です。」
- 一村店主の大事にしていることは?
「拘らないことに拘っている感じですね。その時々の旬なものを使って臨機応変に対応していきたいと思っています。ビジュアルだけでなく、商品の質でお客さんにワクワクしてもらいたいです。」
◆店舗情報
麺処 想
鳥取県米子市角盤町1-73 アクティビル 1F
twitter:https://twitter.com/mendokorosou
instagram:https://www.instagram.com/mendokoro_sou/
オープン日:2019年4月1日
(取材・文・写真 KRK 令和5年4月2日)