2022年9月1日、大阪のビジネス街に注目の新店がオープンした。屋号は「中華そば 昴(すばる)」。店主は阿波座の名店「香澄」出身。暖簾やSNSで発している「本格醤油」、「本物のラーメンで最高の感動を!」などの言葉からも本気度が伝わってくるお店だ。実際に食べに行って、そのラーメンのレベルの高さに驚いたので、どんな方か興味を持ったので取材をお願いした。「中華そば 昴」谷口店主にKRK直撃インタビュー!
- ご出身は?
「和歌山県の串本町です。」
- 料理の世界に入ったきっかけは?
「料理の仕事がしたくて、中学校を卒業してすぐに地元の中華料理店に就職しました。そこで2年間働いた頃に、その店の大阪にある暖簾分け店で働いてみないかと頼まれました。ずっと大阪へ来たいと思っていたので、17歳の時にその店で働くために大阪へ出てきました。」
- 当時から独立志望はありましたか?
「はい。自分の店を持ちたいと思って料理の世界に入りました。大阪でやりたいとずっと思っていて、15歳の時から『27歳になったら独立したい』と決めていました。」
- そこからラーメンをするまでの経緯は?
「自分のお店を大阪ですると考えた時に、中華料理ってメニューが多いじゃないですか。大阪で勝負するのにメニューが多過ぎるのはあまりよくないなと思って、それで『自分は中華料理の中で何が一番好きなんだろう?』と考えた時に、ラーメンだなと思いました。ラーメンが一番好きなので、ラーメン専門でしようと決めました。」
- ラーメン屋をしようと決めてからは?
「勉強のために大阪の有名なラーメン店はほとんど食べました。そして家で自作もずっとしていました。自作をしている内に、実際にお店でラーメンを作る経験もしたいと思い、それで香澄さん(サイト内記事)に入りました。」
- 香澄を選んだ理由は?
「香澄さんは2人だけで回しているオペレーションが凄いと思ったのと、煮干しらーめんがとても美味しかったんです。自分はずっと本店にいたんですが、本当に多くのことを学ばせて頂きました。」
◆2022年9月1日オープン
- この場所に決めたのは?
「近くに住んでいますし、ここは割烹串カツ屋さんの居抜き。割烹系のお盆を置いたり、ジャズを流してみたり、お洒落なラーメン屋にしたかったので、ここの内見に来た時にピッタリだと思いました。商圏を調べても人が多い地域なので勝負できると思いました。」
- 屋号「中華そば 昴(すばる)」の由来は?
「お店のロゴにも付けていますが、プレアデス星団(和名:すばる)という星の集まりを示していて、『肉眼で見えるのは6つなんですけど、色んな拘りの食材(星)を入れてラーメンを作っています』という想いを込めています。それと僕の名前、昂平の"昂"が昴と似ていて、一角が無いのが自分。『一歩先の自分へ』という意味も含んでいます。」
◆特製丸鶏中華そば
- 自店の看板商品「丸鶏中華そば」は、いつ頃に決まりましたか?
「決めたのは一年ほど前ですね。家でひたすら試作して、香澄で学んだこと、中華料理での知識を合わせていきました。」
- 湯浅醤油を使っているのは、ご自身のルーツも意識してということですか?
「自分の出身である和歌山の食材も使いたいと思い、湯浅まで行ったりして湯浅のいろんな醤油を試して、僕が一番美味しいと思った湯浅の醤油『蔵匠』を使っています。」
- 地鶏を使っているお店は増えていますが、「信州黄金シャモ」は珍しいですね。
「地鶏についてメチャクチャ調べて、『こんな地鶏があるんだ!』と見つけたのが信州黄金シャモでした。自分で電話をかけて仕入れ先も探して、それで試作してみたらとても美味しかったんです。試作は300回ほどしましたね。信州黄金シャモは関西ではどこも使っていないと思います。」
- これから来店するお客様へ、自店の看板商品の紹介をお願いします。
「ウチの看板商品は丸鶏中華そばです。ガラを使わずに地鶏の丸鶏をガンガン入れて炊いたスープに、小豆島のイリコと瀬戸内産の鯵煮干しで出汁をとったスープを合わせたダブルスープです。骨じゃなくてお肉でとったスープなので、肉感のあるリッチなスープに仕上がっていると思います。」
- チャーシューもとても美味しかったです。
「スライサーで薄切りにした国産の豚ロースです。7〜8時間かけて低音調理した拘りのチャーシューです。」
- 谷口店主が大事にしていることは?
「ヒトを大事にすることです。周りのヒト、もちろん従業員もそうです。どんな良い食材を使っても、それを仕込む人間がいないと成り立たないじゃないですか?香澄さん、多くの先輩、お客様、今まで多くのヒトに助けられてきました。皆さんのお陰でこの店もオープンできました。商売人として、義を重んじてやっていきたいと思っています。」
◆店舗情報
中華そば 昴
大阪府大阪市中央区本町橋7-17 トウセン本町橋ビル 1階
twitter:https://twitter.com/soba_subaru
オープン日:2022年9月1日
(取材・文・写真 KRK 令和4年9月6日)