Vol.256：らぁ麺 きくはん

　今回取材するのは、大阪の人気スポット中崎町の人気ラーメン店「らぁ麵きくはん」。店主は多くのラーメン職人を輩出している名門「麺や輝」卒業生で、そのパワフルかつ繊細なラーメンで多くのラーメンファンを魅了し続けているお店だ。店主とはほぼ初対面なので、いろいろ聞きたいことがあるので楽しみだ！「らぁ麺きくはん」菊橋店主にKRK直撃インタビュー！

- ご出身は？

「生まれは鹿児島県ですが、すぐに大阪へ来たので育ったのは大阪です。

- 昔からラーメンは好きだったんですか？

「高校生くらいからずっとラーメンが好きで、大阪・京都・兵庫・奈良と広く食べ歩きを楽しんでいました。」

- 自分で何かお店をしたいと思っていたんですか？

「元々、親が焼き鳥屋をしていて学生時代から手伝っていたので飲食に興味はありました。本格的に考え始めたのは、大学で就活を始めた頃でしたね。どうせするなら大好きだったラーメンをしたいと思いました。」

- 修行するのに「麺や輝」（サイト内記事）を選んだ理由は？

「食べ歩きをしていた頃、麺や拓さん（サイト内記事）とか、福島で1店舗でしていた頃のみつ星製麺所さんがとても好きだったんです。よく調べてみると麺や拓の森口店主は麺や輝の一番弟子、そしてみつ星製麺所の方も輝でちょっと経験があると知りました。それで僕も同じような道を辿ろうと思い、麺や輝で修行したいと思いました。」

- 輝にはすんなり入れたんですか？

「ちょうど輝台湾店のオープン前で人が空いた時期だったのですぐに入れてもらえました。入ってすぐに中津店に配属されて、朝の仕込みとか基本から教わりました。そして3ヶ月くらいで中津店の店長をさせてもらうようになりました。」

- 独立志望は伝えていたんですか？

「面接の時に『しっかり3年働いたら独立してもいいよ』と言ってもらっていました。中津店の後、長堀店でも多くの経験をさせてもらって、3年半ほど経った頃に、独立するために輝から離れました。」

2015年12月21日オープン

- 自店の場所に中崎町を選んだ理由は？

「輝での一年目くらいに森口さん（麺や拓店主）と飲む機会があって、その流れで関西ラーメン向上委員会の店主さん達とも知り合う機会がありました。その時に元『フスマにかけろ』の實藤さん（サイト内記事）とも話をさせてもらっていました。そして輝での2年目くらいに實藤さんへ独立の相談をさせてもらった時に『中崎町をもっとラーメンで盛り上げようや！』と言ってもらったんです。それから中崎町を意識するようになり、ずっと半年くらい中崎町の物件を探していました。輝からちょうど離れる時期にこの物件が空くことになり、ここでしようと決めました。」

- 屋号の由来は？

「僕の名字が菊橋で、学生時代のあだ名が"きくはん"。そこから屋号を決めました。そして、いろんな文字を頭に付けてみて一番しっくりきたのが"らぁ麺"でした。輝はつけ麺がメインですが、自分の店はラーメンを主体にしたいと考えていたのもらぁ麺を選んだ理由の一つです。」

- オープンしてお客様の反応はどうでしたか？

「オープンした時は多くのお客様に来て頂いたんですが、半年くらい経った頃から落ち着いた時期がありました。それから試行錯誤しながらメニューを改良していき、今に至ります。」

特製とりとん醤油

- 自店の商品はいつ頃に決めましたか？

「イメージは輝で修行していた最後の一年くらいで決めていました。輝は基本、鶏ガラを使わずに豚骨と魚介がメインですが、自分は鶏白湯が好きだったんです。それで輝で勉強した豚骨に、自分の好きな鶏白湯を掛け合わせたトリトン（鶏豚）でしようと思いました。オープン時は醤油と味噌の2種類でスタートしました。それまでの輝の卒業生は魚介を絶対に使っている感じだったんですが、ウチは魚介を使わない純動物系で始めました。」

- お店の商品の説明をお願いします。

「一番人気の醤油は鶏ガラと豚骨を二日間かけて炊き上げた濃厚スープです。背脂とか脂っこいものは使わずに骨の旨味を出しているので、濃厚な割に脂っこくなく食べやすい仕上がりになっています。

　味噌は白湯に合わせてしっかりした濃い味噌になっています。醤油とはまた違った麺を使っていて、太めのプリっとした黄色がかった麺です。味噌は信州味噌と愛知の八丁味噌、そして出身の鹿児島から取り寄せた麦味噌をブレンドしたものです。」

- "つくね"トッピングは関西では珍しいですよね。

「メンマの代わりになる何か特徴のあるトッピングをしたいと考えて、実家が焼き鳥屋なので仕込んでるのを見ていて覚えていたので"つくね"にしました。」

- 今後、店舗展開とかは？

「全く考えていないです。親が焼き鳥屋を1店舗で30年くらいしていて、それが僕の理想。ずっと親の背中を見てきて、自分も1店舗だけできっちりやっていきたいと思っています。」

- 最後に菊橋店主の大事にしていることを教えて下さい。

「中崎町の地域に愛されるお店にしたい、と思って毎日やっています。中崎町に住んでいる方や、お店で働いている方にずっと何年も愛されるお店にしたいと思っています。」