Vol.248:麺家 本倉


 今回取材するのは2022年1月23日にオープンした注目の新店「麺家 本倉」。店主は東京の2つの名店での修行を経て、地元姫路市で独立開業した方だ。共通の知り合いがいたので早速連絡を取って取材する時間を作って頂いた。「麺家 本倉」本倉店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「兵庫県の加東郡社町(現加東市)で生まれ、中学で揖保郡太子町に引っ越しました。高校は姫路の高校に通っていました。」

 

- 昔からラーメンは好きでしたか?

「19歳の時に当時働いていた会社の同僚の人に教えてもらった東加古川にある『新在家ラーメン もんど』さんで食べたのがきっかけでラーメンにハマり、それからラーメンを食べ歩くようになりました。」

 

- ラーメン屋をしたいと思ったきっかけは?

「飲食のアルバイトをした時に飲食の仕事が楽しいと感じました。その時に『どうせ人生の時間の内の大半を仕事に費やすなら好きなことをしたいな』と思ってラーメン屋をしたいと思いました。ラーメンの美味しさを皆んなに伝えたいのもありますが、好きな物なら味を探究するのも楽しいと思いました。」

 

- 東京のラーメン屋で修行することになった経緯は?

「どうせやるなら日本一の激戦区、そして最先端である東京が良いと思いました。あとは地元から離れることによって集中したいのもありましたし、人生で1度は東京に住んでみたいという憧れもありました。」

 

- 修行先に「つけ麺 道」を選んだ理由は?

「関西にはつけ麺の文化があまり浸透していなくて、美味しいつけ麺を覚えて持って帰りたいなとは思っていました。東京で色々と食べ歩いてみて自分が勉強したいと思った味、且つお店の雰囲気だったりとかで『ここで働きたい!』と直感的に思ったのが『つけ麺 道』でした。」

 

- 当時から独立志望はありましたか?

「東京には4年間って期間を決めて上京しました。つけ麺 道に入る時にもそれは予めお伝えしていました。」

 

- 「つけ麺 道」の後、「亀戸煮干中華蕎麦つきひ」でも修行することにした理由は?

「つきひは煮干ラーメンのお店で、煮干ラーメンは僕が東京に行ってから初めて出会いハマったラーメンなので勉強したいなと思ったのと、つきひは当時つけ麺 道で一緒に働いていた先輩のお店で、その先輩が持っている接客スキルや経営戦略等勉強になると思っていたので側で見て学びたいと思いました。また、新しいお店でまた1から人間関係を築くよりも信頼関係が出来ている方が成長も早いと思いました。(初めての所だと教えてもらうのに段階的になってしまい時間がかかってしまう可能性があると言う意味で)」


2022年1月23日オープン


- 自店の場所は姫路と決めていたんですか?

「東京に行く前から決めていました。地元が好きだということもあるのですが、この歳になってくるとそれぞれ家庭を持ったりして中々友人たちと会えなくて繋がりが薄れてしまうと思うんですけど、地元でやることによって皆が食べに来てくれてそこで少しでも話す事ができるのでいつまでも繋がっていれるなと思いました。」

 

- 屋号「麺家 本倉」の由来は?

「麺家の"家"は皆さんの第二の家になるようなアットホームなお店にしたいという思いを込めてあえて"屋"ではなく"家"にしました。それこそ地元の友達だけでなく、新しく新規で来てくださったお客様にもお気軽に何度も足を運んで頂けたらなと思います。

  本倉とした理由は、自分の名前(本倉)があまり他に無いので、同級生とかがどこかで店の名前を聞いて、『あれ?あの本倉かな?』と気になって来てくれて再会できたら嬉しいなと思って決めました。なので地元でしていなければ違う屋号にしていたと思います。お店にある紋は本倉家の家紋を使用しております。」


- 自店で提供する商品は悩みましたか?

「つけ麺は東京に行く前から覚えてやりたいとは思っていましたし、関西にはまだあまり無い純煮干も東京修業中にやりたいと思いました。後はつきひ時代に僕が考えた鶏清湯のラーメンがあったので、それはこちらの人でも食べ馴染みのある安定した味だと思うので出したいと思っていました。本当に僕の4年間の集大成と言える3枚看板なので、地元に帰る前にはこれでいこうとは決めていたのであまり悩むことはありませんでした。」

 

- 自店の商品の紹介をお願いします。

濃厚つけ麺は材料に鶏ガラやモミジ、丸鶏等の鶏を中心に豚も数種類の材料を加えて味に深みを出し、3日間かけてじっくり炊き上げた後、節や煮干の魚介で仕上げた鶏豚魚介濃厚つけ麺です。甘みが特徴的なとろみのある中毒性のスープが麺にしっかりと絡み合い、濃厚好きの方にはハマると思います。

 鶏清湯らーめんは水と鶏のみで炊き上げしっかりと鶏の旨味を抽出したスープに、生醤油等数種類の醤油や昆布や椎茸等の乾物を加えた特製のかえしで仕上げた王道醤油らーめんです。こってりは苦手、安心できる味が良い!といった方にオススメです。

 純煮干らーめんはスープには動物系は一切使用せずに煮干のみで、様々な産地の煮干を数種類使用し煮干の旨味、風味を抽出。あえてエグみも出し、良い意味でも悪い意味でも煮干を存分に味わえるらーめんです。低加水のパツパツ麺も特徴的で、関西ではまだ珍しい純煮干。煮干が苦手でなければクセになるかもしれません。

 和え玉は通常の替え玉にタレと油を和えた味付きの替え玉で、小さな油そばのようなイメージです。よく混ぜてそのままでも美味しく召し上がれます(個人的にはそのままが一番オススメです!)。つけ麺風にスープに浸けて頂くのもいいし、スープに入れて替え玉のように召し上がって頂いても大丈夫です!関西ではまだ提供しているお店は少ないので和え玉文化が関西にも生まれてもらえたら嬉しいです。」



- 本倉店主がラーメン屋として大事にしていることは?

「食事は人とって欠かせない物なのでその時間は皆様にとって有意義な時間であってほしいです。せっかく来て頂いたお客様にはそれぞれ何かしらの満足する部分が生まれて帰って頂けたらと思います。美味しい物を出すのはどこのお店でも当然なので、それ以外の部分。マニュアルのような決まった台詞の接客よりも、お客様に伝わる人情で接客出来ればなと思っています。美味しい物を食べて満足、気持ちの良い接客で居心地よく食事をして頂いて満足、今はコロナで中々難しいですがお客様と会話して心地良い時間になって頂けたりしたら嬉しいです。」


◆店舗情報

麺家 本倉

兵庫県姫路市砥堀236-1

公式HP:https://menya-motokura.jimdofree.com/

twitter:https://twitter.com/menya_motokura

オープン日:2022年1月23日

 (取材・文・写真 KRK 令和4年2月26日)