Vol.229:ラーメン たぬき屋


 今回取材するのは京都市伏見区の人気店「ラーメン たぬき屋」。愛嬌のある屋号だが提供されている商品は超本格派というギャップに心を掴まれるお店だ。昼営業終わりに取材する時間を作って頂けたので、いろいろ聞いてみようと思う。「ラーメン たぬき屋」大内店主にKRK直撃インタビュー!


 - ご出身は?

「京都の山科です。」

 

- 飲食をするきっかけは?

「昔から食べるのが好きだったんです。親がよく外食に連れて行ってくれていて、色んなものを食べていましたね。その中でも中華料理が一番好きだったので、高校を卒業してすぐに中華料理屋さんで働き始めました。」

 

- その時点で独立志望はありましたか?

「はい。いつか自分でしたいと考えていました。」

 

- 中華からラーメン屋への経緯は?

「その中華料理屋さんで日本各地の百貨店催事に餃子をよく売りに行っていました。東京の催事に行った時にラーメンが美味し過ぎて、1週間滞在で10食以上はラーメンを食べていました。現地の人に薦められた店は全て行きましたね。その中でも春木屋さんは初めて食べた時に『何だこれは?』と衝撃的でした。それとチェーンですけど光麺(こうめん)ってお店があって、そこの熟成ラーメンというのが凄く美味しかったです。」

 

- 東京でラーメンに興味を持ち始めたんですね。

「はい。その頃からラーメンをやりたいと思い始めました。あっさりも好きなんですけど、単純に自分がこってり系が好きだったから豚骨系のこってりしたのがやりたいと思いました。」


- ラーメン屋をしたくなってから?

「京都の店を色々食べ歩いて、大中さん(京都市伏見区)で食べた時に『ここ、美味しい!ここで働きたい』と思いました。こってりし過ぎず、ライト過ぎずという味がとても好きでした。それから中華料理屋さんを辞めて大中さんで働き始めました。その時に(当時大中で働いていた)岡部さん(現・頑固麺 店主)と会いました。」

 

- それから独立までの流れは?

「大中さんで2年ほどお世話になった後、独立しようと離れたんですがなかなか場所が見つからなかったんです。その時に岡部さんに声をかけてもらって一年ほど頑固麺さんで働かせてもらいました。」

 

- 場所は京都と決めていたんですか?

「高校が滋賀県だったので滋賀と京都で探していました。」


◆2015年2月9日オープン


- この物件を見つけてからは?

「2014年の10月頃にこの物件を契約して、2015年2月にオープンしました。」

 

- 屋号「たぬき屋」の由来は?

「僕のあだ名ですね。たぬき、たぬき、とよく言われていたので(笑)。僕の性格上、かっこいい名前よりはこういう名前の方が親しんでもらえるかなと思いました。」

 

- 自店の商品はいつから決めていましたか?

「修行時代も食べ歩きを続けていて、『伏見であっさりしたラーメンが無いな〜』と思いました。それで魚介のラーメンでやっても面白いかなと考えていました。そしてまぜそばはこの地域は学生さんや肉体労働の人が多いので絶対必要だなと思いました。それからちょっと遅れて絶対出したいと思っていた豚骨を加えました。」



- トップメニューの中華そばのイメージは?

「やっぱり最初に食べた春木屋さんの魚介のイメージが相当強かったです。でも今はウチ流にだいぶ変えましたけどね。」

 

- 中華そば・まぜそば・熟成豚骨、この3本柱へのお客様からの反応は?

「コッテリ系がやっぱり人気ですね。まぜそば、豚骨が1番売れています。中華そばは最近になってやっと定着してきたかなという感じですね。」

 

- 最近、濃厚豚骨の店が減ってきていますよね。

「原価的なものと労力、そして臭いも大きな原因だと思います。僕も豚骨で家系とか無鉄砲さんみたいなのをしてみたいんですけどマンションなので(臭いで)どうしてもできないんですよね。たまに限定でするだけです。豚骨の店が減ってきているのはそういう問題もあると思います。」

 

- 前回食べに来た時に感じたんですが、炒飯もすごく出ていますね。

「炒飯は3分の2くらいのお客様が注文されていますね。最近では炒飯屋とか言われていますけど(笑)。調理に影響が出ないように、肘に負担かけるような腕の筋トレとかは絶対しないようにしています。」


- どんどん新しいお店が加わってきている京都ラーメンについては?

「多種多様なラーメンがあった方がお客様の選択肢が増えて面白いと思います。店側も競争していたらお互いのレベルも上がっていき相乗効果があっていいと思います。」

 

- 大内店主が大事にしていることは?

「お客様との近さですね。オープン当初は一生懸命ラーメンを作ることばっかりでしたが、今はお客様と会話を楽しみながらするということを大事にしています。地元の人に愛される店を目指しています。」



◆店舗情報

ラーメン たぬき屋

京都府京都市伏見区深草泓ノ壺町11-9 第二池田ハイツ

twitter:https://twitter.com/ramentanukiya

Facebook:https://www.facebook.com/RamenTanukiya

オープン日:2015年2月9日

 (取材・文・写真 KRK 令和3年9月7日)