2021年4月6日オープン!
注目の新店が2021年4月6日、尼崎市東園田町にオープンする。屋号は「麺屋 Smile」。店主は大阪の人気店「桐麺」からの初の独立者だ。私が山田店主と初めて話したのは2020年6月だったと思う。山田店主がまだ十三の「中華そば 桐麺」の店長を務めていた頃で、私が夏の限定を食べて退店する時に山田氏から「今度、桐麺から独立します。宜しくお願いします。」と挨拶していただいた。その時に「独立する時はぜひ取材させてください!」と私の名刺を渡していて、今回、遂にその取材が実現するというわけだ。
近年、注目店が続々と集まってきている尼崎市で、山田店主が一体、どんなラーメンで勝負するのかとても興味がある。「麺屋 Smile」山田店主にKRK直撃インタビュー!
◆店舗情報
麺屋 Smile
兵庫県尼崎市東園田町4丁目9-1
twitter:https://twitter.com/menya_smile0330
instagram:https://www.instagram.com/menya_smile/
オープン日:2021年4月6日
- 出身は?
「生まれも育ちも尼崎です。」
- ラーメンは好きだったんですか?
「ラーメンはずっと好きでしたがチェーン店とかしか行ったことなくて、遠くに出掛けてまで食べるってほどではなかったです。」
- 修行先「桐麺」との出会いは?
「ある日、桐麺の向かいの廻り寿司に家族と食べに行ったんです。その時に向かいのお店のド派手な看板に気付いて、『何屋さんなんだろう?凄いお客さんが並んでいるな〜』と思ったんです。それで気になって、後日、桐麺に食べに行ったんです。当時はそこまでラーメンに詳しくなかったので鶏白湯も知らなかったんです。それで(当時のメニュー)鶏麺醤油を注文して普通の中華そばのような醤油ラーメンが来ると思っていたんですね。でも白く濁ったラーメンが来たので『あれ?注文を間違いはったんかな?』と思いつつ食べてみると、凄く美味しくて衝撃でしたね。」
- 初めて食べる白湯だったんですね?
「全く初めてでした。もうびっくりしましたね!チェーン店でしか食べていなかったので、同じラーメンでも全然違うように感じました。」
- それから桐麺に通うことに?
「初めて行ってから桐麺にハマって、それから週一くらいで通っていました。その頃にはラーメン本とかも読むようになって(桐麺店主の修行先である)JETさん(ラーメン人生JET)とかにも行ったりしていました。」
- 作る側になるきっかけは?
「桐麺に1年ほど通っている内に、自分でもやってみたいなって気持ちが出てきました。でも約20年していた前の仕事(左官屋)しかしたことなかったし、家族もいましたから迷いましたね。そして35歳になった頃に『やっぱりやってみたいな。やらずに後悔するよりは一回やってみよう!』と決心しました。飲食は全く初めてで、アルバイトすらしたことなかったです。」
- ラーメン屋で働きたいってことではなくて、桐麺でやってみたいってことなんですね?
「はい、そうですね。それでアルバイト募集の紙が貼られていたので電話して面接してもらいました。常連で顔馴染みだったので桐谷大将はビックリしていましたね(笑)。採用していただいて、初めての社員としてお世話になることになりました。」
- その時に独立志望はあったんですか?
「はい。面接の時に伝えていました。」
- 初めてラーメン屋で働いて、どうでしたか?
「いやー、もう舐めていましたね。皿洗いだけでも凄くしんどかったです。大変な仕事だなとすぐに分かりました。」
- 桐谷店主の印象は?
「大将のラーメンへの情熱が凄いですよね。特に麺への拘りはずっと話を聞かせてもらって凄かったです。」
- そして2号店である十三店がオープンすることになって?
「最初は大将がしていて、僕が本店に入って一年半経った頃に僕に十三店を任せてもらうことになりました。もうプレッシャーで胃が痛くなる毎日でした(笑)。一時は二店舗(本店と十三店)を大将と僕の2人でしていた時期もありました(笑)。」
- 独立の時期は決めていた?
「面接の時に『最低でも4〜5年はしっかり勉強をした方がいいよ』と言ってもらっていました。それで昨年(2020年)7月いっぱいで桐麺を卒業して独立させて頂くことになりました。」
- 卒業してから間が空いたのは?
「地元の尼崎周辺で物件を探していたんですが、なかなか条件にあった物件が見つからなかったですね。徐々に範囲を広げていってこの物件に昨年末に出会いました。」
- 屋号の由来は?
「当初は全く違う屋号をいろいろ考えていて、最初はこの名前は全く浮かんでいなかったんです。でもコロナで皆さんが不安な毎日を過ごしていて、自由に外食も行きにくい。そういう中でウチにラーメンを食べに来る20分ほどの時間だけでも、ウチのラーメンとスタッフの力で少しでも笑顔で過ごしていただけたらなという想いを含めて、麺屋Smileに決めました。」
◆メニュー
- 提供する商品は?
「店長を3年間ほどしていた桐麺十三店は中華そば(清湯)メインだったので清湯もしたかったんですけど、自分が桐麺で一番長く勉強させていただいたスープが白湯なので、最初は白湯で勝負させていただこうと思いました。後々、実力がついてきたら清湯もやりたいと考えています。
オープンしてしばらくは『鶏白湯SOBA』と『鶏魚白湯SOBA』のみでの営業となります。カレーとつけ麺は落ち着いてきてから始める予定です。当面の間は昼営業のみになります。」
- 店の内装をご自身で?
「前職が左官屋だったので厨房の土間を自分で押さえて、お店の表の壁も自分で漆喰塗りました。机や椅子も大工さんに手伝ってもらいながら、自分でヤスリがけしニスを塗って仕上げました。」
- 山田店主が大事にしていきたいことは?
「麺屋Smileのラーメンとスタッフの力で、お客様が笑顔で過ごせる時間をご提供させていただきたい。それが麺屋Smileのコンセプトです。」
◆師匠 桐谷店主からのメッセージ
「山さん(山田店主)は桐麺での4年半、とても頑張ってくれました!僕が山さん以外の弟子を全員クビにした時も、山さんは1人で十三店を守り抜いてくれました。桐麺は今でこそ、正社員2人と弟子3人、熱いメンバーのみんなでチーム桐麺として究極を追っています!山さんが頑張ってくれていたおかげで今の桐麺があります!
これからが山さんのスタートです!ラーメン職人として、ラーメン屋として、1人の人間として、これからも『究極を追う!』という桐麺で学んだ姿勢を貫いて守破離していってほしいです。」
(取材・文・写真 KRK 令和3年3月29日)