今回取材するのは東京都町田市にある「町田汁場しおらーめん進化」。ラーメン界の最高権威TRYの塩部門2連覇など数々の賞を獲得してきた塩ラーメン専門店だ。
今回、私がお手伝いしている京阪百貨店の催事に出店のため関口店主が来阪。前もって連絡し、取材する時間を作って頂いた。「町田汁場しおらーめん進化」関口店主にKRK直撃インタビュー!
- 出身は?
「東京です。」
- ラーメンをするきっかけは?
「元々はバンド活動をしていまして、音楽やりながらラーメン屋さんでずっとアルバイトをしていました。その時にどんどんラーメンの魅力に取り憑かれていきました。そして22歳の時にバンドを解散することになり、『こうなったらラーメン一本で頑張ろう!』と決心しました。自分でラーメン屋をするために腕を磨きたいと思い、せたが屋(公式HP)に入ることに決めました。」
- 修行先として「せたが屋」を選んだ理由は?
「当時、せたが屋で昼だけ『塩ラーメン専門店(ひるがお)』をしていたんです。僕は塩ラーメンが凄く好きだったので、『ひるがお』の方へ面接に行きました。せたが屋さんはこれから大きくなっていくというとても勢いあるお店だったので、店舗展開していくにあたって自分も勉強になるなと思いました。店長をやってみたいなという気持ちで入りました。」
- 塩ラーメンを好きになったのは?
「きっかけは支那そばやさん、大喜さん、中村屋さん。それらの店で食べている内に塩ラーメンに嵌りました。当時はまだ『塩ラーメンは一番手じゃない』ってイメージで塩ラーメン専門店も少なかったですね。」
- せたが屋にはすぐに入れたんですか?
「直接社長と面接させて頂いて、その時にいろいろ話をさせてもらいました。僕は塩ラーメンがしたかったので『可能であればひるがおで働きたい』と社長にお願いしてみたら、ちょうど昼に人が欲しかったと言ってもらえて入れてもらえました。それからずっとひるがおでお世話になりました。」
- 当時から独立志望はあったんですか?
「はい。それは決めていました。面接の時に社長に『3年で独立したい』と伝えていて、社長から『頑張ってくれるんだったら』と承諾を頂きました。結局、3年半ほどお世話になりました。」
- 本格的なラーメン屋に入ってどうでしたか?
「拘りって面でも、店を作り上げるって面でもやっぱりプロフェッショナルの仕事というか、一つ一つ細かいところにも目が行き届いていました。商品についても拘り抜き、深いところまで掘り下げて物事を考えるということを教わりました。」
- 修業時代に自分の店を塩専門ですると決めていたんですか?
「はい。塩ラーメン専門ですると決めていました。」
- 場所を町田に決めたのは?
「実家が町田なのもあり親を近くで見ていられる。それと当時はロックンロールワン(69'N'ROLL ONE)があって嶋崎店主と仲良くさせて頂いていて、嶋崎店主から『町田でやりなよ!』と言ってもらっていて、僕も『絶対町田でやります!』と言っていました。嶋崎店主とそういう話をしていなかったら、せたが屋から独立するのももっと遅かったかもしれません。嶋崎店主の言葉に背中を押してもらったという気持ちがあります。」
- 駅から離れていて、奥まった場所にしたのは?
「僕も当時は若かったんです(笑)。食べたい人だけが来てくれたらいいって気持ちでした。通りすがりに入るんではなくて、目指して来てもらえるお店にしたかったんです。」
- 屋号に「しおらーめん」を入れた理由は?
「寧ろ塩ラーメンって入れないと『醤油は無いのか?』とか言われますからね(笑)」
- 汁場とは?
「最初、麺を造っていなかったんですよ。麺をやってこそラーメン屋として一つの完成形と思っていたので『汁場』としました。今は自家製麺もしているんですが、そのまま汁場を使っています(笑)」
- 「進化」の意味は?
「停滞せずに常に進化する。旨味を追求していく。美味しいラーメンを追求していくって意味で進化です。『これで終わりじゃないぞ』って自分へのモチベーションです。」
- 塩専門店をするのに意識していた店は?
「目指しているものがあると逆に自分のものが無くなるので、あまりその辺は考えないようにしていました。僕の中では『このラーメン、鶏が効いてて美味しいよね!』とか、『魚が効いてて美味しいよね!』というラーメンじゃなくて、『なんか分からないけど美味しいな。どんどん勝手に食べてしまう!』という究極のバランス系。僕が一番作りたいラーメンはそういうのなんです。」
- 「塩専門」でオープンして、お客様の反応は?
「最初は厳しかったですよ。醤油が無くて帰ってしまうお客様も多かったです。出身店の名前でラーメン好きの方々には来てもらえていましたが、一般のお客様にはなかなか来てもらえなかったですね。最初は本当に大変でしたが、逆にいろいろ試作する時間があったので、毎日、ずっと試作をやり続けていました。」
- 自家製麺導入したきっかけは?
「自家製麺はずっとしたかったんですが場所が無くて、9年目の頃に本店前の物件が空いてやっと始めることができました。」
- 看板商品の「しおらーめん」の紹介をお願いします。
「名古屋コーチンと山水地鶏ベースの鶏スープに、長崎産のアゴを使った和風ダシをブレンドしたスープ。そのスープに4種類の塩をブレンドして造った特製塩ダレを合わせたバランス系塩ラーメンです。毎日でも全て飲み干せるようなスープに仕上がっています。」
- 関口店主が大事にしていることは?
「食材と生産者の方との繋がりをとても大事にしています。そういう想いが一つの丼に纏ってお客様に味で伝わってくれたらいいかなと思います。生産者さんの気持ちがそのまま商品として出るように頑張っていきたいです。」
◆店舗情報
町田汁場 しおらーめん進化
東京都町田市森野3-18-17 ウィング森野 1F
公式ブログ:https://ameblo.jp/shinka-shio/
Twitter:https://twitter.com/shioramenshinka
Facebook:https://www.facebook.com/shinka.ramen
(取材・文・写真 KRK 令和3年2月17日)