Vol.198：中華そば 楽描

画像左：「青い鳥牧場」沢田取締役、画像右：但田店主

　静岡県浜松市の人気店「僕家のらーめんおえかき」が大型商業施設「サンストリート浜北店」に新ブランド店をオープン！目玉食材としてメインで使っている「浜北コーチン」、そして今回の鶏清湯への思い、いろいろ聞かせていただいた。"中華そば楽描"但田店主にKRK直撃インタビュー！

- 但田店主については以前に取材させていただいているので、今回は新ブランド店「楽描」についてお願いします。

「宜しくお願いします。」

- サンストリートへの出店のきっかけは？

「2019年の年末にサンストリート様より話が来て『やります！』と返事していました。その時は"おえかき"でそのまま出店する予定でした。それからコロナが出始めて５月頃には大変な状況になってしまって、当初は8月にオープン予定で動いていたんですがオープンする勇気がなくて、オープンを延期しました。」

- 延期をしてから今回のオープンまでの流れは？

「おえかきオープン時からお付き合いしている卵屋さん（青い鳥牧場）と『地元のヒトに地元のモノを発信したい！』と話をしていました。コロナで大変なことになって、今すべきことは自分をグイグイ出すのではなくて、みんなでこの新しい世界（環境）をどうやっていくかと考えました。地元の人に地元のモノを発信したいという気持ちが更に強くなり、卵屋さんに『浜松から発信できる新しい鶏を作りませんか？』と相談しました。県外じゃなくて地元の人に向けてやりませんかって。この商業施設（サンストリート浜北）はホームセンター、お風呂、映画館などが揃っていて、地元の人が普段使いで来る商店街の発展形のような施設なんです。それで『地元なヒトに地元のモノを発信する』ことを、ここでやるのが一番いいと思いました。」

- 屋号「楽描」の由来は？

「おえかき（僕家のらーめんおえかき）は僕が入っている時だけおえかき営業をしていて、弟子だけで営業する時はローマ字で『rakugaki』という屋号でしていたんです。それで今回、ココで新ブランド店をする時に『漢字で楽描ってかっこいいな～』と思い付きました。」

- 「浜北コーチン」の紹介をお願いします。

「鶏でいうと名古屋コーチン。鶏って卵にしても身にしても餌の環境でモノが変わってしまいます。名古屋コーチンの油ってクセが強いんですよ。そういうところを落としたくて、静岡のお茶を与えてみたんです。」

- お茶ですか！

「すぐに近くのお茶屋さんに相談したらちょうどいいお茶があり、それを粉末にして餌に混ぜ込んで名古屋コーチンにあげてみました。」

- お茶をあげた浜北コーチンを最初に食べた印象は？

「卵の透明感が断然違う。黄身の濃さが際立っていて、スープを取った時に油の臭みが無く、コーチンらしいバターっぽい香りは残っているんです。青い鳥牧場さんの環境がとてもいいんですよね。浜北の地下水を鶏に飲ませて育てているんです。」

- 新ブランド店のメイン商品に中華そばを選んだ理由は？

「浜北コーチンを全面に出した商品と考えた時、スープ飲んですぐ違いが分かるのがいいなと思いました。その頃にちょうど岡山に出店している時期だったので、笠岡にもよく食べに行っていたんです。笠岡ラーメンを食べて、『ここまでスープに鶏だけ出しているのも面白いな～』と思いました。それで新ブランド店の商品も、スープ飲んだ時に『これ鶏やな！』ってすぐに分かるほどにしようと思い、中華そばをメイン商品にしました。浜北コーチンの丸鶏、鶏油も浜北コーチン。ソウルフード的なラーメンを作りたいという思いもありました。」

- お客様の反応はどうでしたか？

「オープン当初はおえかきファンばっかりでしたが、今は年配のお客様のリピートがメッチャ増えてきています。嬉しいですね。」

- メディアにも多く取り上げられていましたね。

「浜北コーチン効果で、メッチャ取材依頼がありました。新聞２社、テレビ２回取材がありました。『浜北コーチンから中華そば』ってことで取り上げていただきました。」

◆浜北コーチン中華そば醤油

- 新ブランド店「楽描」の今後は？

「この店のオープン二日前に僕の母親代わりだったおばあちゃんが亡くなったんです。告別式がオープン日でした。メチャ辛かったんですよ。でも忙し過ぎたので悲しむ余裕さえ無かったんです。後から思ったんですが、それっておばあちゃんが（僕が悲しまないように）わざわざ忙しい時に逝ってくれたんだな～って。もちろん、普段はお客様のためにラーメンを作っていますけど、このお店のオープン当日はおばあちゃんに食べさせてあげたいって気持ちで作り続けていました。だからこのお店にはとても思い入れがあるんです。この店はチェーン展開とかせず、ここだけで営業していきます。」