今回、LINEグループに集まってくれたのは、東海と関西の「今」を牽引している二人のラーメン店主。リモート対談などが流行っている今だからこそ、関西ラーメンKINGは二人の言葉をきっちり活字で残しておきたい。何度も繰り返し読んでもらいたいから。さぁ、始まります。
◆本日のゲスト
◆自己紹介をお願いします。
●「鉢ノ葦葉」堀店主(以下「鉢ノ葦葉」と略)
「三重県四日市市のラーメン店。鉢ノ葦葉(はちのあしは)の店主、堀 克多(ほり かつまさ)と申します。」
●「和dining清乃」原田店主(以下「清乃」と略)
「649-0314和歌山県有田市で醤油ラーメン店 和dining清乃 [ワダイニングセイノ]、原田智司[ジム・キャリー]です(๑•̀ㅂ•́)و✧」
◆お二人が知り合ったきっかけは?
●清乃
「らの道Pさん(司会)のブログで評判の良いお店でずっとマークしており、私が四日市へ行って食べて感銘を受けて初めて自分から名刺を渡し挨拶させていただきました。堀さんは私のお店を知りませんでした(笑)」
●鉢ノ葦葉
「今から7、8年位前かな?ある日の夜営業に突然現れ、名刺を頂いた記憶があります。見るからに板前風の、随分と怖い顔の人でしたので、その後も気にしていました(笑)」
- 超人見知りの清乃さんが思い切って挨拶するくらいだから、余程気に入ったんですね!
●清乃
「びっくりしました!美味かった〜(๑•̀ㅂ•́)و✧」
- それから清乃さんが「らの道三重スタンプラリー」に鉢ノ葦葉さんを推薦しましたね。その頃にはお互い連絡し合う仲だったんですか??
●鉢ノ葦葉
「何度か和歌山までドライブがてら食べに行きましたね。事前連絡なしで。」
●清乃
「その頃は、遠慮なく来てはぶった斬りの繰り返しでした。」
- 清乃さんが当時、鉢ノ葦葉さんから学んだことは?
●清乃
「『らぁめん』という料理の根本からです。」
◆お互いのラーメンを初めて食べた時の印象は?
●清乃
「らぁめん一筋で来た人は凄いと思いました。」
●鉢ノ葦葉
「当時の清乃さんはラーメン専門店ではなく、色々な料理を出されていたじゃないですか。だからラーメンに関しては自分の方が経験値は高い訳ですから、もう遠慮なく叩き切っていました。」
- 遠慮なく言えたのは、期待への裏返し?
●清乃
「社交辞令ゼロだから今までお付き合いしています。」
●鉢ノ葦葉
「勿論そうです。嘘はつけません。」
- 清乃さんが一番印象に残っていることは?
●清乃
「自家製麺を導入する後押しをしてもらい、自家製麺に変わった事や旨味が足りないとかいろいろ有りますね。」
📸2012年撮影
◆らの道スタンプラリー(2013年)に誘われた時、抵抗感は?
●鉢ノ葦葉
「あの当時はウチも全然お客さんが来なくて、経営的にも苦しかったんです。まあ、自分が悪いんですけどね。だから、あの当時はイベントやコラボなどの企画は問答無用でウェルカムでした。」
●清乃
「らの道(公式HP)で広範囲の方々に認識してもらえましたし、出たくて出れるものでもありませんので、とても有難い機会でした!」
- そのイベントの達成者限定として初コラボしますが、何か面白いエピソードはありますか?
●清乃
「ピロピロ麺の時ですね!」
●鉢ノ葦葉
「あのコラボは良い思い出ですね。苦い思い出です(笑)。」
- 「苦い」とは?(笑)
●清乃
「私がもらってきたエイを使ってしまい、苦い思い出が、、」
- 詳しくお願いします。(笑)
●鉢ノ葦葉
「詳しく説明しますね。」
●清乃
「カタ((((꒪꒫꒪ ))))カタ ぶった斬るつもりや💦」
- そんなに酷いミスしたんですか?(笑)
●清乃
「みたいです、エイのアンモニアが、、」
●鉢ノ葦葉
「コラボ当日の朝、送られてきたスープを味見したんですが、なんか、想像を超える力強い味がしまして(笑)。凄く美味しいんですが、一つだけ『よく分からない味』がしまして(笑)、それがとにかく邪魔でして(笑)。エイだったんですが、何としてもそれをマスキング(覆い隠す)しなくてはと、半泣きしながら材料を足して行きました。外には沢山のお客さんが既に待ってましたから、そりゃ半泣きになりますよ。」
- 焦りますね💦。当日の朝、行列の皆さんの期待。
●鉢ノ葦葉
「エイの臭みは全人類嫌いだと思います。」
●清乃
「ฅฅ°́Д°̀))ギャァァァ」
📸2013年撮影
◆賞レースとか、グルメサイトのランキングとかは気にしていますか?エゴサーチとかは?
●清乃
「(グルメサイトのランキングで)全国2位の時に四日市のもも焼き屋さんで(堀さんに)いぢりたおされました!」
●鉢ノ葦葉
「ネット上の評価は、気にしていなくても必ず耳に入って来ます。あまり聞きたくないですね。」
●清乃
「ウチは嫁が見てます、私は自分のらぁめんに集中!」
●鉢ノ葦葉
「ウチもですね。」
◆両地域にラーメンブームが来て、どんどん新しい店が加わってきて刺激とかは?
●鉢ノ葦葉
「危機感が自分を成長させてくれます。」
●清乃
「最初の頃はたくさん回りました。」
- 清乃さんに質問なんですが、清乃はドーンと一気に「食べログ日本一」になったイメージですが、他地域から確かめるように来店するお客さん(同業者も)増えて、プレッシャーは?
●清乃
「そりゃ:(´◦ω◦`):プルプルなりますし、全国区のらぁめん屋さんでは目からウロコが……」
●鉢ノ葦葉
「自分が清乃さんに行くと、店主はいつも目が泳いでいます(笑)」
◆東海と関西のラーメンの違いは?
●鉢ノ葦葉
「その地域で主軸となる店があって、その店から形は違えど、その店のマインドを引き継いで拡がっていく感じじゃないですか。」
●清乃
「お味噌や醤油が違う様に、その土地の好みや塩分も違いますし、老舗に行くのが1番勉強になります[神楽さんも老舗に入ります]。
◆ラーメンの方向性が今に至ったきっかけは?
●鉢ノ葦葉
「開業前に試作した味を、現在まで磨き続けただけですね。食べてみて、客観的にダメだしをして修正する訳ですが、何せ全て独学ですから修正の仕方が分からなくなったりします。時には間違った方向に進む事もあります。」
●清乃
「ウチは鉢ノ葦葉さんの後押しで自家製麺にシフトし、神楽さんの醤油らぁめんに対するアプローチを教えて頂き、この度、横山製粉の葦葉粉を教えて頂き、麺に必要な長さや旨味がする麺に仕上がっているかなと思います(๑•̀ㅂ•́)و✧」
◆もし他の場所でラーメン屋をするとしたら?
●鉢ノ葦葉
「経営が成り立つのならば人里離れた場所。」
●清乃
「水道水の美味しい県になります、古民家とかで」
- もしニューヨークで1ヶ月限定店なら、どんなラーメンで勝負しますか?
●清乃
「角長醤油の魅力を伝えたいです!」
●鉢ノ葦葉
「自分はどこに行っても自分のラーメンしか作りません。」
- ベストアンサー!
●清乃
「ですよね!」
●鉢ノ葦葉
「良くも悪くもブレ無いのが自分す!」
●清乃
「休肝日が無いのが自分す!」
●鉢ノ葦葉 >> 清乃
「それかよ(笑)」
◆お互いを褒めてください。
●鉢ノ葦葉
「嘘はつけません(笑)」
●清乃
「いつも包み隠さず意見してくれてありがとうございます、見た目は浪人生みたいですが尊敬してます。(๑•̀ㅂ•́)و✧」
●鉢ノ葦葉
「好きですね、原田店主の事。心の底から。理由とかはないです。自分の本能がそう言っています。」
📸撮影日:2019年12月8日
◆修行時代の自分に、今の自分から何か言ってあげるなら?
●鉢ノ葦葉
「お前、15年後もそのままだぞ。多分、30年後もそのままだぞ。だから、気負っても無駄だぞ!」
●清乃
「和食は温度、味の変化がメリハリ付けやすいけど、鉢で懐石料理を表現出来る修行をしなさい!」
◆これからラーメン屋をしようと思っている方に何か一声かけるなら?
●鉢ノ葦葉
「自分が日々幸せに過ごす為にやって欲しいですね。まずは自分から。自分を1番大切にしてもらいたいです。」
●清乃
「料理はお客様との1番の会話です。お客様の目を見れない様な料理をしないで下さい。胸を張り堂々と料理を提供していきましょう!」
◆お二人にとって、ラーメンとは??
●清乃
「目標!」
●鉢ノ葦葉
「以前のインタビューで同様の質問を受けた記憶がありますがその時とは違うと思います。今は、とにかく手に負えなくて、得体の知れない存在。」
◆両店に共通しているのがテキパキ動きいい女将の存在。この場で女将に感動の言葉をどうぞ!
●鉢ノ葦葉
「次の人生では、もっと早く出会いたい。もっと長く一緒にいたい。」
●清乃
「取り扱い説明書。私は褒めて伸ばして下さい。そしてありがとう!」
【緊急出演】清乃女将より感動の言葉
●「清乃」女将さん(女将 twitter)
「いつも大きな買い物(製麺機とか)をする時は先に相談して欲しい。とか言っても無理ですね(笑)。良い材料とかを見付けた時に在庫全部を買い占めるのはやめて欲しいです(笑)。支払い大変ですから💦
ラーメン屋になってからほぼ休み無しで働いているのは少し心配しています。これからは上手に息抜きもしていきましょう。最後に言います。私の夢は【かかあ天下】です。」
(取材・文・写真 KRK 令和2年5月4日)