Vol.155:麺屋 Somie's


 今回取材するのは京都の北部、福知山市にある人気店「麺屋 Somie's」。2013年に突然現れてすぐにラーメンファンの間で話題になり、福知山までの遠征者が急増したお店だ。今回、某店主を通して連絡が取れて取材をさせていただくことになった。福知山に行くのも6年ぶりだし、謎が多いお店なのでどんな話が聞けるのか楽しみだ。"麺屋 Somie's"塩見店主にKRK直撃インタビュー!(顔出しNGなので、店主写真はありません。)


- 出身は?

「福知山です。」

 

- ラーメン屋をする前は?

「東京で大学を卒業した後、福知山に戻って2年ほどジーパン屋さんで働いていました。それから自分の好きなものが売りたくて、自分でジーパン屋を始めました。ビンテージジーンズみたいなの、レプリカとか高いのが今でもあるじゃないですか。それ系の販売をしていました。でもインターネットの時に乗り切れなくて、どんどん駄目になっていきました。」

 

- ラーメンは好きだったんですか?

「親父がラーメンを好きだったので小さい頃から連れていってもらっていて、この辺りのラーメン屋は全部食べているって感じでした。当時の福知山は屋台とかあったんですよね。濃い~醤油で"ゆで卵"の輪切りが入ってるってラーメンでした。ラーメンはずっと好きでしたね。」

 

- 本格的にラーメンに嵌ったのは?

「輸入したビンテージ物や車の部品、服とかを売っていた時、それだけでは食べられないので配達のバイトもしていました。夜中に福知山から京都市内まで荷物を運ぶ仕事でした。その時に京都市内のラーメン屋をいろいろ廻るようになりました。その頃は天下一品、横綱、一条寺でも天天有や高安くらいでしたね。天下一品 五条桂店とかとても気に入っていました。当時は本からの情報だけでした。」

 

- 食べる側から作る側になるきっかけは?

「『モノを買って売るよりは、飲食の方がいいかな?』と思っていたんです。最初はお洒落なカフェがしたかったんですがそれでは食えそうにないなと思い、それでラーメンだったら面白いかなと思いました。ラーメンがずっと好きでしたからね。」


麺屋Somie's(2013年10月30日オープン)


- 場所はここでと決めていたんですか?

「駐車場も無いけど、ずっとお店(服屋)をしていたこの場所でしようと思っていました。」

 

- 屋号「麺屋 Somie's」の由来は?

「嫁の名前が"そのみ"。"ジョンソンズ"とか"デニーズ"とかあるじゃないですか。それで"そのみ"をアメリカ風にしてソミーズにしました。服屋をしている時からソミーズを屋号に使っているんですよ。あんまり言うのは恥ずかしいんですが(笑)。」

- 店の内装は自分で?

「服屋をしていた時から壁に色を塗ったりして営業をしていまして、その流れですね。たまにこういう雰囲気のお店で食べたくないってお客様もいらっしゃるんですが、どうせ自分でお店をやるなら、自分が好きなものに囲まれて、好きな音楽が流れている空間でしたいと思ったんです。嵌る人には凄く気に入ってもらえるんです。僕はMade in USAのものに凄く執着していて、このマグカップなんかもファイヤーキングっていう50年代の本物なんですよ。」

 

- ラーメン作りは自己流で?

「その当時、無化調で自家製麺が最先端というイメージでした。自分は機械もある程度いじれるので、中古の製麺機を買って自分で直して使っていました。本とか自作ラーメンのサイトを参考にさせてもらっていました。最初は食材の流通も全く分からなかったので、近くのスーパーで売っているもので最高のものを作ろうって感じでやるしかなかったんです。それからちょっとずつ流通が分かってきて、今は小麦粉も欲しいのが入るようになったし、食材は地元から地鶏とか全部入るようになっています。」

 

- いろんなお店に行って参考にしていたんですか?

「ネットはかなりしていたので『どこが一番美味しいんだろう?』と探るんですよね。当時、らの道ってイベントのスタンプラリーがあって、参加しているどの店も凄く行きたかったんです。でも遠いので全部行けなかったんです。食べたくて仕方無かったんですがね。僕はいろんなラーメンが好きで、どこかに食べに行ってはこれが美味しいとなると、それより美味しいのを作ろうってなるんです。」

 

- オープン時のメニューは?

「自家製麺で無化調。当時はレアチャーシューが流行ってきてたのでそれを乗せようって。今でもそうなんですけど、田舎なので周りに無化調のラーメン屋が無いんです。それが一番の心配でしたね。だからオープン当初は卓上に塩ダレと醤油ダレを置いて、足らない分はそれで足してもらうって感じでしたね。醤油一本でする自信も全く無かったので、白湯系と清湯の塩と醤油で始めました。」


メニュー(撮影日:2020年2月20日)


- 現在の商品は?

「僕がいろんなのが好きなんですよ。今は白湯と清湯、魚介を炊いているんですけど、これの組み合わせでいろんなものをしています。」

 

- ブラウンシュガー誕生のきっかけは?

「どこかで甘いラーメンを食べたんですよ。つけ麺だったんですけど甘かったんです。それで『ウチでもしてみようかな?』と思ったのがきっかけです。」

 

- 券売機のボタンにあるカメレオンってのが気になったんですが?

「あれは『押して何が出てくるか分からないのをしたいな!』と思って作りました。まだしていないんですけど(笑)、いつかしたいですね。」

 

- 最後に一言お願いします。

「ラーメン屋を始めた時は、『(自分が)美味しいラーメンを食べたい!美味しい麺を食べたい!』って気持ちでした。僕は修業をしていないので、ここまででいいよってのが分からないんですよ。今は自分の好きなものを作って、ある程度、お客様も来てくださっている。なんとなく毎日やれているので、このままでいいのかなって思っています。」



 <店舗情報>

■麺屋ソミーズ

住所:京都府福知山市駅前町24

公式ブログ:https://ameblo.jp/simpleman1963

twitter:https://twitter.com/menya_somies

instagram:https://www.instagram.com/ramensomies/

オープン日:2013年10月30日

 (取材・文・写真 KRK 令和2年2月20日)