令和元年ももうすぐ終わろうとする12月下旬、札幌市東区に注目のお店が移転オープンした。屋号は「札幌Fuji屋」。セカンドブランド店の「ふじ屋NOODLE」がミシュラン札幌ビブグルマンに選ばれて、そして新たな本拠地の誕生。現在の札幌ラーメン界で最も勢いがあるグループの1つだろう。
私が店主と初めて会ったのは2013年。らの道札幌スタンプラリーで"すすきの"で営業していた豚ソバFuji屋を初めて訪れた時だ。あれから6年が経ち、オープンしたばかりの新店舗で店主と久しぶりに話せるのが楽しみだ。"札幌Fuji屋"藤谷店主にKRK直撃インタビュー!
- 出身は?
「札幌です。」
- ラーメンは好きだったんですか?
「18歳頃からラーメンを食べるのがずっと大好きでしたね。車の免許を取った頃、職場の先輩が『美味しいラーメン屋がある』って教えてくれたんです。それが五丈原さん(らーめん 五丈原)。大行列にも衝撃を受けて、『なんでラーメンってこんなに人気あるんだろう?』と考えました。それで興味を持ってラーメンの本を買って、いろいろ食べ歩くようになりました。それがラーメンに嵌った最初のきっかけでしたね。」
- それから本格的にラーメン食べ歩きをしていたんですね。
「20歳頃に営業職になってからは、外回りで『あの地域に行くからこの店!』ってポイント決めて常にラーメン食べ歩きでした。当時は味噌ラーメンが好きでしたね。ずっと味噌、必ずどこの店に行っても味噌を食べていて、それから醤油も食べてみようとかなって。ずっとラーメンを食べていましたね。」
- 作る側になるきっかけは?
「食べ歩き始めた頃から、将来ラーメン屋をやりたいと思っていました。食べ歩きをしている中でいろんな方、ラーメン店主とも知り合うようになって、たまたま山嵐の大村さんが『誰かいないかな?』って探していたんです。それで『僕なんてどうですか?』と聞くと、『いいよ!』って言ってくれました。それで会社を辞めて、山嵐でお世話になることになりました。山嵐の一番最初の創業店、小さいカウンター8席だけのお店、そこで働き始めました。」
- 飲食で働くのも初めてだったんですよね?
「全然分からない世界でしたが、ラーメンが大好きだったので毎日が楽しかったですね。基礎からいろいろ学ばせてもらいました。」
- その頃、独立希望はあったんですか?
「当初は独立するって気持ちは無くて、山嵐さんが今後店舗展開していくので、僕も大村さんを支えていければいいなと思っていました。」
- 独立するきっかけは?
「たまたま僕が住んでいた地域に良い物件が空きまして、その物件を逃したくなかったんです。大村さんに相談すると後押ししてくれて、『何かあれば全面的に協力するから』とおっしゃってくださいました。それで独立する決心をしました。」
豚ソバ Fuji屋(2007年オープン)
- 提供していた商品は?
「最初は豚ソバ醤油だけ、その1本でした。修業期間が短かったので、めちゃくちゃ不安でしたね。とにかく、まずは大村さんがしていたスープの作り方を真似して、それから自分のできることを合わせていくって感じでしたね。最初から魚介と豚骨を合わせたラーメンをってイメージはありました。"豚ソバ"ってネーミングは大村さんが言ってくれて、それで『豚ソバFuji屋』にしようと決めました。」
- オープンしてから順調でしたか?
「オープンしてすぐにいろんなメディアに取り上げてもらって、北海道ウォーカーさんにも2008年の最優秀新人賞に選んでもらいました。それをきっかけにテレビでも紹介してもらうようになって、スタートダッシュが良かったです。」
- 2012年に「すすきの」へ移転した理由は?
「北区で5年ほど営業してきましたが、この先、お店自体を長くしていくことを考えると、"すすきの"に行って挑戦してブランド力を上げて、それから郊外にまた戻ってこれたらいいなって思いました。」
- そして2015年にセカンドブランド店の「ふじやNOODLE」をオープンですね。
「"新ラーメン横丁"の物件がたまたま空いたので、隣のビルですしこれも何かのきっかけかなと思い、すぐに決めました。」
- 観光地で提供する商品は?
「僕がラーメンが好きなのでやりたいことがいっぱいあるので、それを試せる場ですね。一応、観光客のお客様にも満足してもらえるように味噌をメインにしていますが、地元の方にも評価してもらえるようなラーメンを作っています。」
- 「ふじ屋NOODLE」でミシュランビブグルマンは狙っていた(笑)?
「全く狙っていなかったです(笑)。選ばれて驚きました。」
札幌 Fuji屋(2019年12月18日移転オープン)
- 今回、予定通りに郊外に戻ってきたということになるんですね。
「理由は、この物件、この場所ですね。」
- お薦めのメニューは?
「味噌ラーメンがお薦めです。山嵐出身の背脂って部分、原点に帰ってという部分、新しい形のウチらしい味噌ラーメンです。」
味噌ラーメン(魚介豚骨背脂)
- 店舗展開は続けていくんですか?
「店舗展開はあまり考えていないです。一店舗、一店舗を長くやっていきたいってのが一番理想だと思っています。」
- 藤谷店主が大事にしていることは?
「自分自身がラーメンが好きなので、ラーメンが嫌いな方でもラーメンが好きになってもらえるような、そんなラーメンを作っていきたいという気持ちがあります。ラーメン好きにも喜んでもらって、自分も作っていて楽しい。それを長い年月やっていけたらいいなって思っています。」
- 食べ歩きは今でもしているんですか?
「毎年300杯ほどは食べています。札幌だけじゃなくて、東京、関西の方にも食べに行っていますよ。」
<店舗情報>
■札幌Fuji屋
北海道札幌市東区北14条東7-1-22
twitter:https://twitter.com/Fujiya_Akihiko
オープン日:2019年12月18日
(取材・文・写真 KRK 令和元年12月29日)