Vol.86：Abats 奥村

　烏丸通から松原通へ入ってすぐの所に、魚や肉、お酒も美味しいと評判のいいお店がある。お店の公式ブログ（店主ブログ）によると"かつぎによる目利きの魚。大原・静原の畑からの野菜。美山地鶏・黒毛和牛の上質なホルモン等、素材の力強さを味わって頂けるお料理と、拘りのお酒をご用意しております。"とのこと。

　約1年前、こちらで食事をする機会があり、その時に店主から大のラーメン好きだと聞いて驚いた。お店でもランチ限定で麺料理を提供していて、その時に頂いた"牛尽くしまぜそば"がとても美味しかった。当サイトは"ラーメンに携わる人にスポットを当てるサイト"なので、定期的に麺メニューを提供してる此方の店にも当然、取材をしたいと思っていた。今回、取材を快諾して頂いたので、ラーメンへの想い、お店について、いろいろ聞いてみたい。"Abats奥村"奥村店主にKRK直撃インタビュー！

- お店を始めて何年くらいですか？

「今年で12年目です。ずっとこの場所でしています。」

- 奥村店主について、少し聞かせてもらえますか？

「元々、フレンチからスタートでしたね。東京のフレンチレストランで働いていました。それから家の事情で地元（京都）へ戻ってきて、23歳の時、某レストランバーの料理長として働き始めました。その店が和食とか3店舗くらい展開していき、自分が総料理長をすることになりました。そこでは18年ほどお世話になりました。」

- 独立希望はずっとあったんですか？

「独立するつもりは無かったんですけど、自分が大原とかの食材に拘り出したので、方向性がその店とは違ってきたので独立することを決心しました。」

Abats 奥村（2006年オープン）

- 屋号をAbats（内臓）にした理由は？

「ライオンとかが狩りする時、一番先に食べるのが内臓。栄養的な部分も含めて、それが一番食の根本かなって意味合いから"Abats（アバ）"に決めました。」

- 一番大事にしてることは？

「仕入れというか、食材集めを一番重要にしています。大原の無農薬の野菜、魚は"かつぎ"っていう料理屋さんだけ廻ってる魚屋さんからの魚、仲卸さんからもらってるホルモン、その３本柱で最初からずっとしています。」

- お酒にはかなり拘ってるそうですね。

「日本酒は無濾過の生原酒、生酒が多いですね。冷蔵庫にいっぱい入っています。だからストック的にもラーメンのスープを仕込めないんです(笑)。」

- 店の内装は？

「和の竹とか得意な設計士さんに、内装はお願いしました。」

- ラーメンは以前から好きだったんですか？

「元々、ラーメン食べ歩きが趣味で、2013年頃からはいろいろ食べ歩いていました。家が宇治の方なので"あっぱれ屋さん"や"たけ井さん"とかよく行っていましたね。それから更にラーメンに嵌まったきっかけが、らの道（公式HP）というラーメンイベントでした。」

- そうだったんですか？それは初めて聞きました（笑）。

「夏にらの道のイベントで、拳さんと極鶏さん、たけ井さんの3店コラボ営業（2013年8月25日）がありましたよね。あのコラボで3時間並んだのが、ラーメンにどっぷり嵌まったきっかけでした（笑）。」

- ラーメンに嵌まって、お店でも麺料理を出そうと思ったんですか？

「いえ、それは趣味で置いておこうと思っていたんです。それから数年後、ウチの10周年の時に何か記念料理をしようと考えていました。その時に山内さん（拳ラーメン店主）が『ラーメン出したらいいじゃないですか！』って言ってくださったんです。それで山内さんに"麺屋棣鄂さん"（公式HP）とか"中勢以さん"（公式HP）とか紹介して頂いて、その時は山内さんのタレを使わせてもらって"まぜそば"を10周年記念メニューとして提供させて頂きました。」

- お客様の反応はどうでしたか？

「常連さん達は僕がラーメン好きなのを知っていたので『とうとう手を出したな！』って感じでしたね（笑）。」